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教科書検定結果琉球新報


http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-241502-storytopic-7.html

文部科学省は6日、2016年度から中学校で使用する教科書の検定結果を公表した。沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)を8社中7社が記述したが、教育出版が自主的に、集団自決を「強いられた」から「追い込まれた」に変更したため、強制性を明記した出版社がなくなった。日本軍の関与については各社とも「追い込まれた」との表現にとどまった。そのほか沖縄戦に関して、自由社の「日本軍と沖縄住民はよく戦った」との記述に対し、「非戦闘要員が戦闘行為に参加したと誤解するおそれがある」との検定意見が付き「沖縄住民もよく協力した」に変更された。
 自由社の修正後の記述については、県民自ら進んで戦争に協力したかのようにも読みとれる表現になっており、沖縄戦体験者らは「協力ではなく『協力させられた』、もしくは『強制的に動員させられた』のが実態だ」と指摘している。
 中学教科書では、06年度の高校歴史教科書検定で軍強制削除の検定意見が出る前から、軍命を明記している社はなかったが、今回も軍命を明記した社はなかった。「集団自決」を現行本で記述していた自由社は、今回は記述しなかった。「集団自決」に対する検定意見もなかった。また、「強制集団死」という表記をしている社もない。
 今回の検定では育鵬社の「琉球処分」と台湾出兵について記した部分にも検定意見が付いた。当初は、台湾での琉球人遭難事件から台湾出兵に至るまでの経緯と、琉球藩設置から沖縄県設置までの経緯を改行せずに記述していた。これに対し「前後関係について誤解するおそれがある」との検定意見が付いた。出版社は改行するなどして修正した。文科省は「審議会で、台湾出兵に至る経緯と琉球処分に至る経緯は別で分けて書くべきとの意見が出た」「台湾出兵と琉球処分に因果関係はない」などと理由を述べたが、琉球史の専門家は「両者は関連しており、文科省の主張は正しくない」と指摘している。
 尖閣諸島については、地理の教科書で全4社が記述し、公民では全6社が沖縄の基地問題を取り上げた。

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=110664

教科書検定 中学社会全てに「尖閣」
2015年4月7日 11:27
文部科学省は、2016年度から使われる中学校用教科書の検定結果を6日公表した。領土に関する教育を強化させた学習指導要領解説書に沿い、社会科(地理・歴史・公民)の全ての教科書が尖閣諸島について取り上げ、多くが「固有の領土」と記述した。中国船による領海侵入などに触れる教科書も目立つ。歴史では、沖縄戦や沖縄の米軍基地問題を手厚く取り上げた「学び舎(しゃ)」が新規参入し合格、教科書の選択肢が広がった。

 沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」については、8社の歴史教科書のうち、自由社を除く7社が取り上げた。うち「軍の関与」まで記述したのは育鵬社を除く6社。前回検定の4社から増えたが、対応は分かれた。

 沖縄戦関連の検定意見では、1件で、自由社(歴史)の「日本軍と沖縄住民はよく戦った」との表現が「生徒が誤解するおそれのある表現である」と指摘された。

 公民の教科書では、6社すべての教科書が普天間飛行場問題について触れた。うち4社が、名護市の「辺野古」という地名を挙げて「移設問題」を取り上げた。オスプレイの配備や、仲井真弘多前知事による辺野古沖の埋め立て承認に言及する教科書もあった。

 領土教育については、今春から使われる小学校の社会科教科書も全て尖閣・竹島を記述しており、義務教育から教える流れが鮮明になった。社会科で政府見解の明記などを求めた新検定基準も初めて適用され、政府の立場を教科書に記載する傾向が強まった。

 歴史教科書では、初参入の学び舎と、「つくる会系」の自由社が不合格だったが、いずれも内容を修正して再申請し、合格した。

ハンギョレ4月8日

http://japan.hani.co.kr/arti/international/20258.html

韓日教科書関連の4つの市民団体「日本で正しい歴史認識の教科書採択運動展開」
日本政府による右傾化教科書に関連し
 自治体の教育委員会を対象に展開
 「歴史歪曲した2種教科書の採択阻止」
日本政府が独島(日本名・竹島)や歴史問題などと関連し、右傾化した記述を拡大した中学校教科書検定結果を発表して波紋が大きくなる中、韓国と日本の市民団体が、正しい歴史認識に基づいた教科書が日本の学校で使われるように、本格的な「採用運動」を始めることにした。
 韓国の「アジア歴史と平和教育連帯」、日本の「子どもと教科書全国ネットワーク21」など、韓日両国における教科書関連の4つの市民団体は8日、東京参議院会館で記者会見を開き、「(中学校教科書採択権限を持つ)各自治体の教育委員会などを対象に平和のための国連(UN)教育指針に沿った教科書を採択するよう、積極的な運動を展開していく」と明らかにした。彼らはこの日の記者会見文で採択運動を行う理由について「グローバル化した社会で生きていく子供たちが、日本の一方的な主張だけを学ぶのがいかに問題であるかを考えなければならない。他の国の人々とまともな議論をするためには、他の国の主張を理解できなければならない」と指摘した。

 これらの団体は、日本の各地域の教育委員会に要求する事項として、(1)周辺国(近隣諸国)を考慮した教育内容の教科書を採択すること(2)歴史教育を政治的に利用しないこと(3)教師が直接教科書を選択できるようにすること(4)日本軍慰安婦と強制連行など、加害事実に関する記述を復活させることなどの4つを挙げた。日本では、各教科書の見本が出てくる5月頃から教科書採択の手続きが開始される。各教育委員会は見本を見て議論し、7〜8月頃には2016年から4年間使用する教科書を選定する。

 ヤン・ミガン「アジア平和と歴史教育連帯」共同代表は「今回の検定結果を見ると、教科書を記述する際、周辺国に配慮するという「近隣諸国条項」に対する日本政府の考慮が完全に消えたのではないかと思う。今後、韓日両国の市民団体は、歴史を歪曲した教科書が教育現場で使われないように運動を繰り広げ、長期的には正しい歴史認識が日本の教科書に盛り込まれるように、学界の研究結果を提供する作業も行う」と指摘した。2011年には歴史歪曲教科書の採択を阻止しようとした韓日市民団体の努力で、代表的な右翼教科書である育鵬社と自由社の教科書の採択率が4%程度にとどまった。

 子どもと教科書全国ネットワーク21の俵義文事務局長も「今回の検定結果を見ると、『学び舎』の教科書に慰安婦関連記述が復活するなど、一部改善されたものもある。すべての教科書を戦争美化の方向に変質させようとする試みは、全面的に貫かれたわけではないと思う」と指摘した。彼は続いて「育鵬社や自由社(歴史歪曲)教科書の問題点を広く知らせ、これらの出版社の教科書の採択を全国すべての地域で阻止するために全力を尽く」と述べた。高嶋伸欣琉球大学名誉教授も「戦争する国を作るための安倍政権の安全保障政策に対する日本国民の不安感が大きく(歴史歪曲教科書の退出も)不可能な目標ではない」と述べた。

東京/文・写真キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-04-08 20:22

http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/686060.html 訳H.J

【談話】2014年度中学校教科書の検定について政府の見解を一方的に教科書に強制する検定制度は廃止すべきである

【談話】2014年度中学校教科書の検定について政府の見解を一方的に教科書に強制する検定制度は廃止すべきである
2015年4月6日   俵 義文(子どもと教科書全国ネット21事務局長)

 文部科学省は、2015年4月6日、14年度中学校教科書の検定について公開した。この教科書は、2008年3月に改訂告示された学習指導要領にもとづく教科書の2回目の検定である。今回の検定には、社会科歴史分野で新たに「学び舎」が検定を申請した。学び舎は、現場の教員などが中心になって組織した「子どもと学ぶ歴史教科書の会」が設立した出版社である。
 今回の検定は、2014年1月に政府見解に基づいて書くなど3点にわたって改悪された検定基準、同年3月に改悪された検定審査要項(検定審議会内規)によって行われた。この制度改悪が、今回の申請図書や検定結果にも大きな影響をもたらしている。
 今回の検定では自由社と学び舎の歴史の申請図書が最初の審査で不合格となり、指摘された欠陥箇所などを修正して再提出して合格した。

 なお、自由社は公民教科書の検定申請を行わず、現行本を見本本として採択に臨むとしている。今回合格した教科書は前述のように改定された検定制度の下で行われ、自由社の公民教科書は旧検定制度による検定合格本であり、新制度の検定を受けていないので、それを見本にはできないという疑義があるが、文科省は「問題ない」としているということである。
 以下、社会科教科書に限定して今回の検定についての問題点を指摘する。

1.新検定基準にもとづき政府見解を教科書に強要する検定
(1)「学び舎」版に対する不合格理由とされた「欠陥箇所」の一つに「慰安婦」問題に関する記述がある。「欠陥」と指摘された記述は「朝鮮・台湾の若い女性たちのなかには、『慰安婦』として戦地に送りこまれた人たちがいた。女性たちは、日本軍とともに移動させられて、自分の意思で行動できなかった」という237ページの記述と、279ページの「日本政府も『慰安所』の設置と運営に軍が関与していたことを認め、お詫びと反省の意を表し」たこと、政府は「賠償は国家間で解決済みで」「個人への補償は行わない」としていること、そのため「女性のためのアジア平和国民基金」を発足させたこと、この問題は「国連の人権委員会やアメリカ議会などでも取り上げられ、戦争中の女性への暴力の責任が問われるようになって」いることなどの客観的事実を述べた記述である。

その「指摘事由」は「政府の統一的な見解に基づいた記述がされていない」ということであり、文科省の説明によれば、ここでいう「政府の統一的な見解」とは、「河野談話」発表までに政府が発見した資料の中には「軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする辻元清美議員への答弁書(平成19年3月16日閣議決定)と、クマラスワミ報告書について「重大な懸念を示す観点から留保を付す旨表明している」とする片山さつき議員への答弁書(平成24年9月11日閣議決定)であるという。

この「欠陥箇所」指摘の結果、不合格後に再提出された「学び舎」版では、資料として掲載された「河野談話」中の用語を除き「慰安婦」の用語はすべて削除された。
しかし、ここで「指摘事由」とされた政府見解については、専門研究者や「河野談話」の直接の関係者などから数多くの異論が提出されている。すなわち、「河野談話」自体が残された公式文書によるだけでなく被害者からの聞き取りなどを総合して強制性を認めたものであること、「河野談話」発表時においても、その後発見された資料等によっても文字通りの強制連行の事例やだまして連行した事例が数多くみられること、日本軍「慰安婦」の強制性の問題は連行時における強制だけが問題なのではなく、「慰安所」に収容された後の移動や逃亡の自由が奪われたもとでの性暴力の強制こそが問題であること、などである。

これらの異論をまったく無視して、政府見解のみが唯一の正しい結論であるとして、政府見解のみを教科書に書かせ、それのみを子どもたちに教え込もうとすることは、民主主義社会ではあり得ない暴挙であり、愚行である。そもそも歴史的事実の認定は歴史研究者の研究と議論を通して確定されてゆくべきものであり、歴史の専門的研究を行う立場ではなく一定の政治的主張をもって政治活動を行う政治権力者が、たとえば「慰安婦」に関する歴史的事実を決定すること、かつそれを子どもたちに教えることを強制するなどということは、考えられない非常識な行為であり、重大問題である。2013年第68回国連総会において,歴史教科書に特に焦点を定めて出された報告(A/68/296)の中でも、歴史教科書の内容は歴史研究者の選択に任されるべきで政治家が介入すべきではないとしているが、これが国際社会の常識である。

このようなことを押し通し、検定によって「慰安婦」記述が削除されたことが明らかになれば、国際社会からも激しい批判をあびることは必定である。このような検定行為はただちに撤回すべきである。
また、昨年の検定基準の改定で政府見解にもとづいて記述することを求める一項を設けたことがこのような結果をもたらしたのであるから、昨年新設したこの検定基準は直ちに廃止すべきである。

(2)政府見解を押し付ける教科書づくりは、領土問題でも顕著である。これに関しては、検定以前に、昨年1月に行われた社会科の「学習指導要領解説」の改訂による出版社側の自主規制が大きく働いている。歴史教科書は現行本では1社のみが領土問題を扱っていたが、2016年度用ではほぼ全社が取り上げ、2ページの大型コラムを設けたのが3社あり、その他にも小コラムで扱うなどしている。地理や公民では領土問題の記述を軒並み増やし、政府見解通りに、北方領土・竹島・尖閣諸島は「日本の固有の領土」、北方領土はロシアが、竹島は韓国が「不法に占拠」と横並びに書き、尖閣諸島には領有権問題は存在しないと政府見解を丸写ししている。そのなかで韓国や中国の主張にもふれたものはない。

 なお、領土問題について、育鵬社は歴史で「竹島は、遅くとも17世紀半ばには江戸幕府によって完全に治められていました。」と書いたが、検定意見で「竹島は、遅くとも17世紀半ばには我が国の領有権が確立していたと考えられます。」に修正した。ところが清水書院の歴史の「竹島については江戸時代中期から日本が領有権を確立していた」という記述が検定意見で「竹島については、江戸時代からその存在が知られていた」と修正している。きわめて矛盾したご都合主義・恣意的な検定である。

 政府が政治問題・外交問題で一定の見解をもつのは当然としても、政府の決定には誤りがある可能性が常に存在する。民主主義社会の主権者たる国民は、政府とは異なる見解をも学びながら自主的判断力を備えていくことが求められる。憲法26条1項ないし教育基本法16条(「不当な支配」の禁止)に違反しないためには、子どもが自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような内容を含まないこと、一方的な観念や見解を教え込むように強制するものではないこと等の条件を満たす必要がある
(旭川学力テスト事件最高裁大法廷判決)。政府見解を一方的に教科書に書き込ませるのは子どもの学習権に対する重大な侵害になる恐れが強く、子どもの権利条約にも違反するといえる。その意味で、政府見解のみを教科書に書かせる愚挙は直ちにとりやめ、(1)でも述べたように関係する検定基準は直ちに廃止すべきである。

2.「通説」にかかわる新検定基準にもとづく検定
通説がないときは通説がない旨を明記せよとの新設された検定基準が文字通り適用されたのが、清水書院の関東大震災における朝鮮人虐殺事件についての記述である。
「警察・軍隊・自警団によって殺害された朝鮮人は数千人にものぼった」との現行本記述をそのまま検定提出したのに対して、通説的な見解がないことが明示されていないとの検定意見が付され、「自警団によって殺害された朝鮮人について当時の司法省は230名あまりと発表した。軍隊や警察によって殺害されたものや司法省の報告に記載のない地域の虐殺を含めるとその数は数千人になるともいわれるが、人数については通説はない。」との必要以上に詳細な記述に変更された。著者・出版社がこのような検定に抵抗しようとすれば、バランスを欠くほどに詳細な記述にせざるをえなくなる。教科書の記述は歴史研究のおよその到達点を簡潔に記述すれば足りるのであって、歴史資料が必ずしも完全な形で残存しているわけではないことを利用してことさらに戦争の被害や加害の事実を小さく見せようとする意図的・政治的なねらいのために、教科書記述を不必要に歪めることがあってはならない。このような検定意見を生み出す検定基準改定も撤回廃止すべきである。

3.「正確性」を重視するという理由で歴史をわい曲する検定
 文科省は、今回の検定はこれまで以上に正確性を重視したと説明している。その一例がアイヌについての次の検定で、申請図書の「政府は、1899年に北海道旧土人保護法(「保護法」)を制定し、狩猟採集中心のアイヌの人々の土地を取り上げて、農業を営むようにすすめました。」という記述に「生徒が誤解する恐れのある表現」という前回検定(2010年度)合格の現行本と同じ記述に、検定意見をつけて「政府は、1899年に北海道旧土人保護法(「保護法」)を制定し、狩猟や漁労中心のアイヌの人々に土地をあたえて、農業中心の生活に変えようとしました。」と修正させた。

 文科省は、「旧土人保護法」の文言は「土地を与える」となっていることを検定基準の理由にしている。しかし、「旧土人保護法」制定当時、アイヌの土地を取り上げたということは、歴史研究では通説となっているものであり(他社教科書では「土地を奪われた」などが検定合格してい)、「土地を与えた」というのは明白な歴史のわい曲である。1997年に制定された「アイヌ文化振興法」によって「旧土人保護法」の内容は否定されているし、これは、2007年の国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」(日本の衆参両院でこの内容が決議された)にも反するものである。「正確性」を理由に歴史の事実をゆがめ、逆に不正確にして歴史わい曲の検定である。

4.教科書を政権の道具にすることは許されない
以上に例示したように、今回の検定では昨年度の検定基準改定と「学習指導要領解説」の改訂が、検定の在り方に大きな歪みをもたらしていることが明らかになった。従来の検定に対しても私たちは「書かせる検定」だと批判してきたが、今回の検定基準改定によって「政府見解」という新たな明確な基準に基づいて書かせる検定という性格があらわになり、歴史でさえ政府見解に基づいて書かせるという驚くべき段階に達したといわなければならない。それは安倍右翼政権がめざす「戦争する国」づくり、「大企業が最も利益を上げる国」づくりのために教育・教科書を最大限に利用し
ようとしていることを示している。

5.侵略戦争と植民地支配を美化する育鵬社版・自由社版の本質
育鵬社版・自由社版については、それぞれの編集発行の母体が、侵略戦争と植民地支配のさらなる美化をねらったと思われるが、国内外の批判的世論の前で内容の枠組みを戦争美化の方向へ大きく変えるまでにはいたらず、検定意見による修正も含め基本的には現行版の枠組みを維持している。そのことは同時に、育鵬社版・自由社版が、神話と神武天皇の扱いにおける歴史歪曲、近代日本が行った侵略戦争と植民地支配の美化、韓国併合の美化、天皇制賛美、日本国憲法の敵視と歪曲等々の点で、これまで
と本質的に全く変わらないことを示している。

育鵬社版公民教科書は現行版同様に「江戸しぐさ」を全く同じ内容で載せている。この「江戸しぐさ」は70年代に考案されたもので江戸時代には存在しなかったことが明らかになっている。明らかな歴史の偽造であり、それをそのまま載せたのに対して、何らの検定意見もつけないで合格させた文科省の検定は歴史修正主義に加担する重大な問題である。

自由社版歴史教科書は南京事件の記述を無くした。現行本では側注で南京事件を書いていたがこれを削除し、逆に通州事件の側注を詳しく3倍にした。文科省はこれについて検定意見をつけていない。1984年版の全中学校歴史教科書に南京事件が記載され、扶桑社・育鵬社・自由社版にもこれまでは何とか記述されてきた。戦後70年の今年、南京事件を削除したのは「南京事件はでっち上げ」という彼らの主張を露骨に表現したものであるが、それを許した文科省は検定基準の近隣諸国条項に違反するものであり重大である。
育鵬社版・自由社版教科書については、今後、さらに内容を精査して、もっと詳しい見解を諸団体による「共同アピール」として発表する予定である。

6.安倍政権の教科書変質政策は全面的には貫徹していない
一方、それ以外の教科書も、2001年の扶桑社版の検定合格以来、戦争の事実をあいまいにする方向に変質してきた。そのなかでたとえば「慰安婦」や「強制連行」などの用語が中学校教科書から消え、南京事件などの顕著な事件について犠牲者数を明記しなくなるなどの残念な変化が進んできた。

 今回の改訂でも、東京書籍が南京事件の注記で東京裁判でその事実が明らかになったという記述を削除する、教育出版が日露戦争の項で新たに東郷平八郎を評価する説明とともに写真を掲載する、太平洋戦争開始の項でABCD包囲網を打ち破るために開戦の必要を説く論議をあえて紹介する、沖縄戦における日本軍による住民殺害を削除する、1945年の箇所で「解放の日の朝鮮」の写真を「玉音放送を聞く人」に差し替えるなどの自主訂正による変化がおこっている。

 しかしその反面、改善された記述もいくつかみられ、全体としては、私たちが危惧していたほどには育鵬社版・自由社版に大きく近づいたといえるような顕著な変化はみられなかった。その意味で、教科書検定制度を改悪してまで、安倍政権とそれをささえる右翼勢力がねらってきたような、すべての教科書を戦争美化の方向へ変質させるという企ては、全面的には貫徹できなかったといえよう。これは安倍政権の暴走に対する批判的世論の高まりと、著者・出版社の努力に負うものであろう。

7.育鵬社版・自由社版採択を許さない取り組みをよびかける
したがって、依然として、育鵬社版・自由社版と他社版との違いは歴然と存在している。そのことを広く訴えて、いま安倍政権・自民党・日本会議などが教育の全面的な右翼的政治支配を貫徹するための当面の最大目標として総力をあげてとりくんでいる育鵬社版・自由社版の採択を、全国すべての地域で阻止し、「戦争する国」づくりへ痛打をあびせるために、全力をあげることを表明する。
                                 
以上。

8月19日八重山日報

http://www.yaeyama-nippo.com/2014/08/19/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E7%89%88%E3%82%92%E6%8E%A1%E6%8A%9E-%E7%AB%B9%E5%AF%8C%E7%94%BA%E3%81%AE%E7%84%A1%E5%84%9F%E7%B5%A6%E4%BB%98%E5%BE%A9%E6%B4%BB%E3%81%B8-%E5%85%AC%E6%B0%91%E6%95%99%E7%A7%91%E6%9B%B8/

東京書籍版を採択 竹富町の無償給付復活へ 公民教科書
政治 · 行政 · 2014年8月

竹富町教育委員会は18日の臨時会で2015年度に使用する中学校公民教科書に東京書籍版を採択した。単独採択地区となって初の教科書採択で、来年度から、国による教科書の無償給付が復活する。

 町は石垣市、与那国町とともに八重山採択地区協議会を構成していたが、2011年の中学校教科書採択で協議会が育鵬社版を選んだのに対し、独自に東京書籍版を採択。教科書無償措置法に違反しているとして国による教科書の無償給付を受けられなくなっていた。

 しかし同法の改正で町は単独採択地区となることが可能になり、今年6月、八重山採択地区協議会から離脱。町立小学校および中学校教科用図書採択審議会(委員長・慶田盛安三教育長)で独自の教科書選定作業を進めてきた。

8月19日沖縄タイムス

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=80298

公民教科書を単独採択 竹富町教委 東京書籍版に
2014年8月19日 06:00

【竹富】八重山教科書問題で単独の採択地区となった竹富町教育委員会は18日、臨時教育委員会を開き、来年度の中学公民教科書にこれまで採用している東京書籍版を採択した。来年度から国の教科書無償給付が適用される。同問題では石垣市、与那国町とでつくる八重山採択地区協議会内で使用教科書が統一されず、政府は竹富町を「違法」と指摘していた。

 一方、4月の教科書無償措置法の改正で、町単独の採択が可能になり、町は八重山採択地区から離脱。教育委員や教員、PTA、学識経験者ら8人でつくる「町教科用図書採択審議会」を新たに組織し、現場教員の調査・順位付けをもとに教科書採択を進めていた。

 同教委の慶田盛安三教育長は「現場教師が薦める教科書を採択できた。単独化で人員不足を心配する声もあったが、十分な成果が出た」と満足そうに語った。

8月19日八重山毎日新聞

http://www.y-mainichi.co.jp/news/25634/

東京書籍を採択 中学公民教科書で竹富町教委
2014年08月19日
来年度から無償化へ 調査員の順位付け優先
 竹富町教育委員会(大田綾子委員長、委員4人)は18日午前、石垣市内で臨時会を開き、町立小学校および中学校教科用図書採択審議会(会長・慶田盛安三教育長、委員8人)の答申通り、現在使用している東京書籍版の中学校公民教科書を採択した。改正無償化措置法の一部施行に沿った採択手続きが取られたため、中学校公民教科書についても来年4月から無償化される。9教科11点の小学校教科書も答申通り採択した。

 中学公民教科書は2012年度から14年度まで、教科用図書八重山採択地区協議会が選定・答申した育鵬社版ではなく、町教委が採択した東京書籍版を使用しており、これまで無償化措置法の対象外とされてきた。

 同法改正の一部施行に伴い、単独地区として採択手続きを行えば無償化措置法の対象となるため、小学校教科書と同時に採択した。

 今回の採択手続きでは、各学校に教科を振り分け、それぞれの教科について教職員3人を調査員として調査研究させた。審議会は調査員が順位付けを行った報告書を審査、教科書を選定・答申していた。この日の臨時会では、順位付け上位の教科書を採択した。

 定例会終了後、慶田盛教育長は「単独地区となったことで順位付けに沿って教科書を選定していくという当たり前の手続きを取ることができた。現場の教員に教科書を調査研究してもらうことで、学校現場の授業にもその成果は生かされる」と期待を込めた。

 町教委は採択結果を県や町内各小中学校に報告し、今月中にも需要冊数をとりまとめて再度、県に報告する予定。このうち中学校公民教科書は40冊(7月末時点の中学校2年生徒数)となっている

2014年3月26日許すな!文科省の不当な「是正要求」 撤回を求める緊急住民集会声明2

竹富町教育委員会
 教育委員長 大田 綾子 様
 教育長   慶田盛安三 様 
各教育委員様
                     
  竹富町教育委員会の一貫した信念を断固支持する
 右傾化を続ける安倍政権下において、文科省は年度末の多忙を極めるこの時期に、地方行政上前例のない是正要求を竹富町教育委員会に突きつけた。混乱を続ける八重山地区の教科書採択問題において、教育現場でさらなる混乱を生じさせようとしている。
 そもそも混乱の発端は玉津石垣教育長による「改革」の名の下での強引な採択地区協議会の運営であった。その結果、公民について調査員である教員から最低の評価である「育鵬社版」が答申された。幸いにして竹富町教委は、子どもたちにふさわしい教科書をと「育鵬社版」を不採択に、「東京書籍版」を採択した。竹富町教委は答申に従う義務はなく、自らの権限で採択することは何ら違法なものではない。むしろ、採択地区の各教委で同一の教科書が採択されていないにもかかわらず、文科省が、育鵬社版だけを無償給与していることこそが違法なのである。つまり、是正されるべきは竹富町教委ではなく、文科省側である。それにも拘わらず文科省は無償措置法の規定のみを根拠に竹富町教委に「法律違反あり」と喧伝し、不当な是正要求をおこなった。
 無償措置法で違法性が認められるのであれば,それは三市町教委等しく「違法性」を甘受しなければならないはずだが、なにゆえに,竹富町教委のみに違法性を認定し、ひとり竹富町教委だけに教科書の無償措置を講じないのか、全く説明されていない。
 周知の通り、竹富町教委の一貫した信念のもとでなされた教科書採択については沖縄県教育委員会も竹富町教委の主体性を尊重している。そして、広く町民、市民の支持を集め、現に有志の教科書寄付により平穏に教育活動が行われている。
高い見識をもち地域に根ざした真面目な教育活動を実践している貴委員会の姿勢は高く賞賛されるべきものである。
 今回の文科省による是正措置はあからさまな政治介入であり、県内外から非難の声が巻き起こっている。地方教育行政法と教科書無償措置法という二つの法律の矛盾を放置したまま、パフォーマンスよろしく弱いものいじめに躍起になっている安倍政権、文科省の傲慢な手法は許されるものではない。
 貴委員会は文科省の不当な要求に屈することなく、明日の竹富町、八重山を担う子どもたちのために、さらなるご奮闘をお願い申し上げたい。教育現場の信念を貫いておられる竹富教育委員会の姿勢こそ、私たち沖縄県民の誇りである。
 以上、私たち八重山郡民を挙げ貴委員会の高邁な姿勢に敬意を表し、今後とも方針貫徹を期待申し上げたい。

2014年3月26日
許すな!文科省の不当な「是正要求」撤回を求める緊急住民集会

2014年3月26日許すな!文科省の不当な「是正要求」 撤回を求める緊急住民集会抗議決議

竹富町教育委員会への不当な「是正要求」に抗議し、撤回を求める決議

 3月14日、文部科学大臣は、竹富町教育委員会(以下竹富町教委という)に対し、教科書無償措置法の規定に違反しているとして、「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の規定に基づく事務の執行について(是正の要求)」を行った。
 しかし、竹富町教委には何ら法律違反はない。文科省は、これまで教科書の採択権限は各教育委員会にあるとの立場に立っており、竹富町教委の教科書採択についても、「地方公共団体が自ら教科書を購入し、生徒に無償供与することまで法令上禁止されていない」(2011年10月26日、中川正春文科大臣の衆院文部科学委員会での答弁)と表明してきた。文科省自身、竹富町教委の教科書採択行為に違法な点や不適正な点がないことを認めてきたのである。現在、竹富町においては、文科省により不当にも無償給付の対象外とされたために、住民らの寄付による「東京書籍版」が生徒に無償で配布されており、何ら混乱も不都合も起きていない。かえって、この是正要求そのものが教育現場に混乱を引き起こしている。
八重山教科書問題の起因は、採択地区協議会(以下協議会という)会長らが「育鵬社版」選定で恣意的に規約改正や選定の方法を改定し、調査員の推薦もなく、マイナス評価の多い最低評価の「育鵬社版」が十分な審議もなく選定・答申されたことにある。そのため、石垣市教育委員会(以下石垣市教委という)、与那国町教育委員会(以下与那国町教委)は、答申通り「育鵬社版」を採択したが、竹富町教委は、選定・答申に疑義を持ち、「育鵬社版」を不採択、「東京書籍版」を採択したのである。協議会規約に則り再協議するも結論は三市町教委で異なる採択となった。文科省が主張する「答申と規約に従ってまとめられた協議の結果」は、「同一採択に至らなかったこと」である。だからこそ、文科省、県教委の指導助言のもと、2011年9月8日、三市町教委合意の上、教育委員全員による協議(以下9.8協議という)が行われ、改めて「東京書籍版」が採択されたのである。ところが、新たな一本化協議を拒否、抵抗していた石垣市、与那国町の各教育長は、9.8協議は無効との「通知」を文科省に送付した。文科省は、この「通知」を根拠に「協議は整っていない」(同年9月13日)「石垣市、与那国町は無償給付の対象、竹富町は対象外」(同年10月27日)との判断を示した。この文科省の対応が、協議を拒否する協議会会長(石垣市教育長)や与那国町教育長にお墨付きを与え、三市町教委の主体的な一本化の協議を阻害し続けてきたのである。
共同採択における無償給付の要件は、答申に従うことではない。同一であることが要件である。竹富町教委が無償措置法に違反しているというなら、石垣市教委、与那国町教委も違反していることになる。9.8協議が無効というなら、改めて、同一の教科書を採択するために協議を行うことが法の求める対応である。文科省の「石垣市、与那国町は無償給付の対象、竹富町は対象外」という措置こそ無償措置法、義務教育の無償を謳う憲法に反しており是正すべきである。
文科大臣の今回の「是正要求」は、国が市町村に対する最初の事例となった。強権的な地方教育行政への度重なる介入は断じて許されるものではない。
私たちは、文部科学大臣が竹富町教委へ発した「是正要求」に強く抗議するとともに、直ちに撤回することを求め決議する。

2014年3月26日
許すな!文科省の不当な「是正要求」撤回を求める緊急住民集会

2014年3月19日町民の会抗議声明

改変とメンバーの入れ替え、教科書調査員の意見無視、無責任な選出方法など、非民主的で問題の多い協議会でした。公民教科書に関しても内容がほとんど審議されないまま、調査員の推薦のない育鵬社版を強引に選び、答申しました。

 それを受けて石垣市と与那国町の教育委員会は答申どおり育鵬社版を採択しましたが、竹富町教育委員会は8月23日の協議会の審議過程に問題が多いこと、育鵬社版の公民教科書は米軍基地問題に触れていないなど、竹富町の子どもたちにふさわしくないことから、東京書籍版を採択しました。
 これに対して文科省は、竹富町教育委員会の採択を違法とし、同年12月には無償措置からはずしました。しかし、同一地区内で同じ教科書が採択されていない状態が違法なのですから、3市町がそろって違法状態をつくっているのであり、竹富町だけを違法だというのは筋が通りません。

 この状態を解消するため、文科省と沖縄県教育委員会の指導のもと、同年9月8日、採択地区内全教育委員の協議が行われ、6時間半に及ぶ論議を経て東京書籍版が選ばれました。ところが、文科省と石垣市・与那国町教委はその協議を無効とし、今に至るも同一教科書採択は実現していません。 

 教科書無償措置法は、採択地区内の協議で同一教科書を採択すると規定しています。9月8日の協議を認めないのなら、文科省は協議を続けるよう指導すべきです。それゆえ、是正要求によって育鵬社版の教科書採択を強制する文科省こそが、市町村の教育委員会に採択権を認めている地方教育行政法に違反していると言わざるを得ません。
 したがって、今回の是正要求はまったく不当であり、違法です。直ちに撤回すべきです。

 竹富町の島々では先の戦争で、空爆やマラリア有病地への強制疎開などにより、家族や友人を失った者も多く、西表島には軍の「慰安所」もありました。沖縄島で地上戦に巻き込まれた経験を持つ町民も身近にいるので、戦争を知らない世代は彼らの体験を聞く機会に恵まれています。
 しかし、それだけでは歴史や公民の学習には不十分です。子どもたちは学校で、戦争が起きた経緯や当時の日本政府の過ちもきちんと学び、自分の頭で考える力をつけることがぜひ必要です。それには育鵬社版公民教科書は適しません。この点でも私たちは竹富町教育委員会の決定を断固支持します。
 
 たった50冊の教科書に、なぜ文科省が執拗に介入するのでしょうか。教科書検定基準や教育委員会制度の改悪、武器輸出三原則の事実上の撤廃、特定秘密保護法の強行採決など、今の政治状況をみると、行きつく先は国定教科書の復活、そしてまたもや戦争ではないかと危惧せずにはいられません。

 また、沖縄は戦後69年間、人権を奪われ、米軍基地の集中など、米軍と日本政府の差別政策によっていじめ続けられています。今回の文科省による竹富町教育委員会への強権発動も「弱いものいじめ」そのものです。
 辺野古新基地建設問題では、稲嶺名護市長が市長権限で建設に抵抗するなら、政府はやはり、地方自治法による是正要求も検討するということです。このように文科省の竹富町教育委員会への是正要求は、教育の国家統制だけでなく、地方自治を抑圧する第一歩でもあり、とうてい許すことはできません。

 私たちは、政治が教育に介入することに断固として反対します。
 私たちは、文部科学省が竹富町教育委員会に発した是正要求を直ちに撤回することを強く要求します。
 
2014年3月19日
 
竹富町の子どもたちに真理を教える教科書採択を求める町民の会

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