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教科書ネット事務局長の談話です

【談話】2010年度中学教科書の検定結果について
       2011年3月30日  子どもと教科書全国ネット21事務局長・俵 義文

 文部科学省は、3月30日、2010年度の中学教科書と前倒しした高校数学・理科教科書の検定の一部を公開した。社会的に注目されている新しい歴史教科書をつくる会(「つくる会」)が編集した自由社版歴史と公民教科書、日本教育再生機構及び改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会(「教科書改善の会」)が編集した育鵬社版歴史と公民教科書も検定に合格した。これらの教科書についての現時点での見解と10年度検定の問題について以下にコメントする。

一、育鵬社版・自由社版について
 育鵬社版・自由社版の検定申請図書(白表紙本)、修正表などの全体をまだ見ることができないので、検定合格した教科書について全面的なコメントはできないが、文科省が公開した資料などにもとづいて、現在わかる範囲での問題点を指摘する。なお、これらの教科書については、全体の内容がわかり次第に専門的な分析を行い、全面的に見解を明らかにするつもりである。

1.育鵬社版で新たに書き加えられた特徴的な点
(1)日清・日露戦争時において、ロシア脅威論をいっそう強調し、戦争と軍備増強、朝鮮侵略を正当化する論調が強まっている。それは、以下の記述から指摘できる。
「隣接する朝鮮がロシアなど欧米列強の勢力下に置かれれば、自国の安全がおびやかされるという危機感が強まりました。そして、まずは朝鮮を勢力下に置く清に対抗するため、軍事力の強化に努めました。」
(2)1920年代末から日中戦争にいたる過程において、全体として中国の抗日運動を敵視する姿勢を強め、日本の中国侵略を正当化する論調が強まっている。
そのなかで、済南事件(1928年に済南で日本軍と北伐軍が戦火を交えた事件)を新たにとりあげた。
また、「支那事変」の用語を新たに入れた。現行の自由社版にならったものである。
(3)アジア太平洋戦争中にアジア諸国が当時の日本の政権に協力した事例をことさらにくわしくとりあげ、アジア解放戦争という位置づけをいっそう強調しようとしている。
「アジア独立への希望」という小項目で、タイとの同盟、インド国民軍、ビルマ独立義勇軍、インドネシア義勇軍の事例を、その問題点についてのなんの注釈もなしに取り上げ、アジア解放の戦争ということがあたかも実像であるかのように描いている。また、大東亜会議参加国の名を写真のキャプションから本文に格上げしている。
(4)「昭和20年、戦局の悪化と終戦」という新しい「読み物コラム」をもうけ、沖縄戦、ひめゆり部隊、大田実少将の電文、特攻隊員の思い、作家の思い(大仏次郎、藤原てい、徳富蘇峰)をとりあげているが、戦争で苦しいなかでもみんなよく戦ったという心情を育てるものになっている。作家の言葉では、「護国の神」という言葉、戦争に負けた苦労、戦犯裁判批判などが語られ、戦争の真実の科学的理解、歴史の真実に根ざした反省にはつながらないものとなっている。
(5)日本国憲法の最大の特色を「他国に例を見ない」戦争放棄だと断定し、申請本では国民主権と基本的人権の尊重にまったくふれていなかった。検定でそれは日本国憲法の三大原則の構成部分として書き加えられたが、本文ではなく、注で書き加えたにすぎない。日本国憲法制定の歴史的意義を全く否定するものである。

2.自由社版で新たに書き加えられた特徴的な点
(1)韓国併合をいっそう美化する記述に変わった。
併合後の朝鮮について「学校も開設し、日本語教育とともにハングル文字を導入した教育を行った」という記述を加え、現行本にあった「これらの近代化事業によって、それまでの耕作地から追われた農民も少なくなく、また、その他にも朝鮮の伝統を無視したさまざまな同化政策を進めたので、朝鮮の人々は日本への反感をさらに強めた」という記述を削除した。検定でほぼ同文が復活したとはいえ、本文での復活ではなく、(注)に落としての復活にすぎない。
(2)日中戦争開始のところで、日本人保護のために派兵したことを付け加えた。上海での日本人将兵射殺事件の記述のあとに「中国軍が日本人居留区を包囲した。日本は日本人保護のため派兵した」を追加している。
日本の中国侵略という事実の全体像を無視し、そのなかのごく一部のみをことさらに強調して日本軍の派兵を正当化するものである。
(3)現行本のコラム「20世紀の戦争と全体主義の犠牲者」を「戦時国際法と戦争犯罪」というタイトルに変え、小項目「二つの全体主義の犠牲者」を削り、「沖縄戦の悲劇」を加えた。そのなかで集団自決にもふれたが、その原因や責任にはまったくふれていない。そこに戦艦大和の話を加え、さらに東京大空襲や原爆の記述をくわしくした。連合国の戦争犯罪が裁かれなかったことを指摘することは間違いではないが、そのことを一面的に強調することは、日本の戦争犯罪を免責することにつながりかねない。
(4)昭和天皇のコラムで昭和天皇賛美をいっそう明確にした。
タイトルを現行の「昭和天皇」から「昭和天皇―国民とともに歩まれた生涯 立憲君主的な立場を貫きつつ、国民の安寧を祈り続けた、無私と献身の生涯とは」に変え、2ページ扱いとした。敗戦前の部分では、立憲君主の立場を貫いたことと、2.26事件と敗戦のときに自ら決断したことをくわしくした。

二、沖縄戦の記述について
 沖縄戦の記述については全体として改善されているようである。沖縄戦の開始時期について、自由社・育鵬社以外はすべて3月末と正しく記述していることや、「集団自決(強制集団死)」について、「日本軍によって集団自決に追いこまれた」「集団自決をせまられた」「集団で自決を強いられた」「集団死に追いこまれた」など、それが日本軍による「強制」によるものとしている(自由社・育鵬社は別)。さらに、日本軍による食糧強奪、壕追い出し、住民殺害に言及した教科書もある。
07年の沖縄戦「集団自決(強制集団死)」検定問題に抗議する9・29県民大会を呼びかけた6団体で構成する「9・29県民大会決議を実現させる会」をはじめ大江・岩波沖縄戦裁判を支援し沖縄の真実を広める首都圏の会・沖縄戦の歴史歪曲を許さず、沖縄から平和教育をすすめる会・大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判支援連絡会・子どもと教科書全国ネット21・日本出版労働組合連合会の5団体が連名で、中学社会科教科書発行者に対して、沖縄戦の記述改善について文書で要請してきたが、教科書発行者がこうした沖縄県民などの要請を一定反映させたもの評価できる。

三、今回の検定のいくつかの問題点
1.前回の2004年度検定に比べて検定意見の総数は2,127(38.3%)多くなっている。教科・科目別にみると、意見数が目立って多くなっているのは、歴史・数学・理科などである。数学・理科は学習指導要領が大幅に変わったことが影響しているように思われる。歴史の意見数が多い原因は、自由社版・育鵬社版と修正表を出さなかった日本文教出版版に多くの検定意見がつけられているためである。
 全体の検定意見の87.6%は教科書調査官の調査意見書である。歴史の場合は、94.9%が調査意見書と同一である。09年度の小学校教科書検定と同様に、検定意見の大部分は教科書調査官によるものであり、検定は事実上、文科省の職員である教科書調査官が行っていることが、今回も実証されている。
2.育鵬社の前記(2)(3)、自由社の同(1)(2)のように、明らかに検定基準の近隣諸国条項を無視して検定を通していることがうかがえる。
3.「米軍による核兵器持ち込みについての疑惑は、その後も消えていません」という記述を「当時、米軍によって核兵器が持ち込まれていたのではないかという疑惑があり、それは現在も消えていません」と修正させた。核持ち込みの疑惑をあくまでも過去の問題だとして、現在は疑惑はまったくなくなっているかのように政府見解にそって書き直させたものである。
4.北方領土、竹島、尖閣諸島については、申請本の段階で固有の領土である旨を明確にした本が多いと思われるが、多少なりともあいまいにした場合は検定意見がつけられ、固有の領土であることを明確にすることや、ロシア、韓国が不法に占拠していることを書かせている。検定では領土問題は二つだとして、尖閣諸島については「領土問題は存在しない」という政府の立場が示されている。これでは領土問題の平和的解決への道筋はみえてこない。
5.核兵器の被害について「のちの世代の生命や健康にまで影響をおよぼす破壊兵器です」という記述を「被爆者の生命や健康に長く影響をおよぼす破壊兵器」と書き換えさせた。核兵器の被害の範囲について未だ確証されていない部分もあるとはいえ、ことさらに被害を過小に見せる検定である。
                                         以上。
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