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琉球新報社説

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-213063-storytopic-11.html

石垣教育長不信任 辞職勧告と受け止めよ
石垣市議会は「平和教育の弊害は、戦争への嫌悪感から派生する思考停止」と述べた玉津博克教育長に対する不信任決議を賛成多数で可決した。戦争語り部を冒とくした発言の撤回は免れない。
 不信任決議に法的拘束力はないが、市の教育行政に対する市民の信望を失墜させた責任は極めて重大だ。決議は「教育長の問題発言は今に始まったことではない」と指摘した上で「その資質が問われている」と厳しく不信任を突き付けた。市議会で前例のない決議は辞職勧告も同然だ。玉津氏も今回の発言を辞職に値する重大発言だと認識し、自ら進退のけじめをつけるべきだ。
 玉津氏は教育長就任後、八重山地区で保守色の強い育鵬社の教科書採択を主導した。琉球大学との教育支援事業では、教科書問題で玉津氏と逆の見解を持つ准教授を排除するよう求め、「民主主義社会にあってはならないこと」と琉大から抗議を受けた経緯がある。
 今回の不信任決議は、「思考停止」発言が引き金となったが、教科書問題や排除要求などが積み重なったものにほかならない。玉津氏の単なる言葉足らずや認識違いではなく、公正中立を堅持しなければならない教育長の立場でありながら、特定の政治的思想に基づき教育行政を推し進めようとしていることが厳しく問われている。
 石垣市議会は与党多数だが、一部の与党的立場の市議が不信任に賛同したのも、そうした認識に立つからだろう。ある議員は「立場を超え、良心に従った結果」と分析したが、市教委の現状を深刻に受け止めている証左と言える。
 不信任決議は、玉津氏の今回の発言について「市民、県民、教育関係者および戦争体験者の語り部の皆さまに不信と不快を与えている」と厳しく糾弾した。
 玉津氏は不信任可決後も、「平和教育の工夫、改善は絶対必要だ」と持論を繰り返し、教育長職にとどまり、現行の平和教育を見直す必要性を重ねて強調した。発言の撤回どころか、反省の色さえ感じられない。こうした居直りは二重三重に戦争体験者の心の傷に塩を塗っているに等しいと自覚すべきだ。
 玉津氏を教育委員の1人として推薦、任命した中山義隆市長の道義的な責任もまた重大だ。市長は「議員の意見は市民の意見」と述べたが、それが本心ならば、玉津氏の責任を問うべきだ。
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